つくる家

セルフビルドで平屋の家を建築中。その記録です。

窓の検討

平面図の設計を始めて1週間ほど経った頃、窓の検討を始めました。”住まい”に関する書籍を片っ端から読み漁って、なんとなく窓のイメージを作っていきます。

selfnoie.hatenablog.com

 

窓の検討項目はざっくり言うと断熱/遮音、防犯/防災、換気/採光の3つです。まず断熱です。断熱はエコの観点からもあるにこしたことないのですがそれよりも重視したのは結露です。過去の住まいでとにかく悩まされたのが結露なんですよね。あらゆる結露防止対策を行ってきましたが充分な効果は得られませんでした。なので複層ガラス、いわゆるペアガラスは窓を選ぶうえで必須条件にしました。次にサッシの種類です。アルミ製かアルミ製+樹脂製か?これで商品のシリーズが確定します。下図にあるようにアルミより樹脂の方が断熱性能が上がりますが価格も跳ね上がります。

結論から言うと脱衣所とトイレの小窓のみアルミ+樹脂の複合サッシにして後はアルミサッシにしました。脱衣所とトイレだけは断熱重視にしたんですね。それと小窓なので価格も比較的求めやすいというのがありました。ただ結露に関してガラス部分は大丈夫でもアルミサッシ部分が結露するんじゃないかとちょっと不安でした。4年ほど住んでみた感想なんですが複層ガラス+アルミサッシで結露が発生した事は一度もありません。そして樹脂の複合サッシの断熱性能は体感として正直良く解りません。なので、すべて複層ガラス+アルミサッシで充分だったなと思っています。

複層ガラスの中が空気層なのかガス充填層なのかでも断熱性能は変わってきます。お値段も相当変わってくるのでガス充填層は考えもしませんでした。当然空気層の製品を選びました。たぶん、複層ガラス+ガス充填のような高機能製品は気密性の高い住宅ではじめて効果が出るのだと思います。昨今の住宅業界では高気密住宅を売りにした住宅が多いのですが、どうもこの高気密住宅という考え方には疑問が残ります。

遮音については全く検討していません。田舎なので基本的に静かですし、風通しを重視して大体窓を開けてますし。ただ実際住んでみてゲリラ豪雨のような激しい雨が降りだすとテレビの音が全く聞こえなくなる時があります。そんな時、窓を閉めるとすごく静かになります。複層ガラスは遮音性があるんだと感じる場面です。

次に防犯/防災です。防犯は重視しませんでした。窓の防犯と言うと格子付けたりルーパー付けたりするわけですが田舎なのでそーゆー対策は仰々しいし、あまり必要性を感じません。防災は一応考えました。実際近くに仮住まいしていた時にすごい強風だったり、枯れた杉枝が飛んできたりしてました。防災というとで雨戸とかシャッターになるわけですが最近の住宅って雨戸見かけなくなりました。雨戸の取り扱いが大変なのでシャッターが主流のようですが、田舎の木の家にシャッターって似合わない...。そこで、建設会社さんに聞いてみるとシャッターを付ける人は少ないのだそうです。付ける人も防災というよりは防犯メインらしい。強風で窓が割れたりしないのか聞いてみると、最近の窓ガラスは丈夫で割れたという話は聞いたことが無いそうで、複層ガラスならより強度があるので心配要らないとの事でした。なので雨戸もシャッターも無しにしました。実際、大型台風を何度か経験しましたが、窓が割れるんじゃないかと不安に思った事は一度もありません。

最後に換気/採光です。建築基準法では採光に有効な窓などの開口部を居室の床面積の7分の1以上設けること、また、換気の為に窓その他の開口部を居室の床面積の20分の1以上設けることと定めています。ただ、セルフビルドですし、都市計画区域外での建築なので事はあまり気にせず、次のような事を考えて設計しました。

1.窓の位置や大きさは部屋の用途や生活スタイルを考慮する

2.空気の流れを考慮する

2.外からどう見えるかを考慮する

3.キッチンは収納を優先する

4.真夏の西日を考慮する

実際、採光に関してはどうだったか検証してみました。トイレ、脱衣所、洗面所、土間を除いた居室で床面積当たりの窓面積を計算してみると結果的に建築基準法で定められた面積の倍の窓面積になりました。あまり意識していなかったのですが結構採光を取ったようです。ただ、日中滅茶苦茶明るいかというとそうでもありません。壁が全面木目な事もあり白い壁のマンション暮らしの時と比べると逆に少し暗い印象さえあります。ただそれも悪くないというか結構気に入っています。照明も基本的に電球色で台所と洗面所だけ昼光色にしています。屋内の明るさというより視界に外の風景が入ることの方が重要な気もしています。周りは緑に囲まれているのですが視界に緑が入るとやっぱり気分が良いです。

換気に関しては空気が籠るような箇所が無いようにしましたし結果的に部屋を仕切っていないのですごく風通しの良い家になりました。寝室と浴室は角部屋にしていて、壁2面に窓を配置しています。これは就寝時は寝室以外のすべての窓を施錠するので寝室だけで風が通るようにしたものです。真夏の熱帯夜でも涼しい風が抜けてクーラー要らずです。浴室も浴室だけで風が通るようにして、あえて換気扇は付けませんでした。

 

2015/8/9~